ディヴィジョン・ワン
ディヴィジョン・ワン
1986年にリリースされたファー・コーポレーションのアルバム。
これはCDは持っていないので、アナログ・レコードを数年前に買ったレコード・プレイヤーで聞いている。
ファー・コーポレーションとは、当時の西ドイツのプロデューサーが中心となって、各国のミュージシャンが集まって結成されたプロジェクトチーム。
このアルバムの最大の目玉は、なんといっても「天国の階段」。
ツェッペリンの名曲を、ボビー・キンボール、スティーブ・ルカサー、デヴィッド・ペイチら、TOTOのメンバーがカヴァーしている。前半部は原曲のイメージを崩さず忠実に演奏し、後半からはしっかりTOTOのサウンドになっているのが面白い。
穏やかな声で前半のヴォーカルを担当しているのは、このアルバムのリリース後にマイケル・シェンカーと組んで活動することになるロビン・マッコーリー。後半はボビー・キンボールが担当し、高域の迫力あるヴォーカルを披露している。
スティーブ・ルカサーのギター・ソロはさすがに上手い。「狂熱のライブ」のような長い演奏ではないものの、ラストのボビー・キンボールのヴォーカルの後で、しっかりと弾きまくっている。
いくらかアレンジを変えている箇所があるが、全体的にとても良い感じにカヴァーしている「天国への階段」だと思う。
このプロジェクトには十数人のミュージシャンが参加しているが、
TOTOメンバーの比重が大きいためか、他の曲もTOTOサウンドに近いものになっている。
特に「ユー・アー・ザ・ウーマン」と「ワン・オヴ・ユア・ラヴァーズ」は、初期のTOTOの未発表曲ではないのかと思ってしまうほど、TOTOらしい楽曲に仕上がっている。それから「ファイヤー・アンド・ウォーター」は フリーのカヴァー曲だが、いかにも80年代風のアレンジに仕上げていて、なかなか面白い。
ちなみに、このアルバムのCDはレコードと同じ時期にリリースされたが、今は廃盤になっているのが残念。
とっととリマスター盤をリリースしてほしい。
音楽ちゃんぽん
ファー・コーポレーション
LP、CD=1986年リリース
曲目
side A
1. 天国への階段
2. ユー・アー・ザ・ウーマン
3. ワン・オヴ・ユア・ラヴァーズ
4. リヴ・インサイド・ユア・ドリームズ
side B
1.ジョニー・ドント・ゴー・ザ・
ディスタンス
2. ファイヤー・アンド・ウォーター
3.イフ・ユー・クッド・シー・ユー・
スルー・マイ・アイズ
4. ノー・ワン・エルス・ウィル・ドゥ
5. ロックン・ロール・コネクション