アナログレコード
アナログレコード
数年前のこと。
物置きを整理していたら、長い間ほったらかしにしていたLPが出てきた。以前持っていたレコードの大半は、プレイヤーといっしょに、ずっと前に処分したのだが、特に気に入っていたLP、30枚ほど取っておいた。
そのほとんどは、後に次々とCD化され、さらにリマスター盤の再リリース時には、また買い直したりしたため、珍しくはなかったのだが、4枚だけ、持っていたことさえ、すっかり忘れていたLPがあった。プレイヤーを処分して以来、ずっと聞いていなかったレコード。それもそのはず、調べたら、CD化されていてもとっくに廃盤になっていたり、CD化さえ今だにされていなくて、入手困難なアルバムだった。
無性に聞きたくなった。でも、プレイヤーが無い。
そういえば、近所にオーディオ機器を取り揃えているディスカウントショップがあるのを思い出し、早速出かけてみた。
そしたら、比較的安価な新品のプレイヤーを売っていた。メイド・イン・ご近所の国製…、本当に音が出るのかと、ちよっと心配になったけれど、販売元の保証書がしっかり付いていたので買った。
ついでに、某アナログレコード店に出かけ、クリーナーとスプレーも買った。
専用のアンプの代わりに、テレビ用のホームシアターシステムのアンプにプレイヤーを接続してさっそく試聴した。
結構良い音が出た。
平積み状態で保存していたので、溝が潰れているんじゃないかと心配したが、4枚とも音飛びもノイズも無く、無事にきれいな音で聞くことができたので、ちょっと感動した。
いまでも時々、アナログ・レコードにプレイヤーの針を落としている。レコードをクリーニングするときのスプレーの香りが、
いつも懐かしさを感じさせてくれる。
突出しエッセイ